大阪・関西万博2025 体験記|持続可能な未来へ
2025-12-31
はじめに
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は大勢の人々が集まる様子から、未来がどのような姿になるかを示す展示に至るまで、とても刺激的なイベントでした。私は、JICAによるアフリカの産業人材育成のための奨学金プログラムの一環として、スケールアウト株式会社でのインターンシップ期間中に、仲間のインターンたちと共に万博に参加できたことを誇りに思います。
自己紹介
私の名前はルヨンガ・ダニエル(Ruyonga Daniel)で、友人からは「Ru」と呼ばれています。本記事では、私にとって人生初となる万博での体験を皆さんと共有したいと思います。私はウガンダ出身で、この記事を書いている時点で、日本にすでに2年と数か月滞在しています。日本での生活は、テクノロジー、社会、そしてイノベーションに対する私の見方を徐々に変えつつあります。私は起業家であり、ソフトウェアエンジニアでもあります。そのため、私の考え方は主にこの2つの視点からのものになります。万博での展示、対話、アイデア提示などにいかに向き合うかについては、こうした観点からの影響を自然と受けました。
また、本記事では、共に参加したインターン仲間が大阪万博についてどう感じたかもお伝えしたいと思います。彼らの多様なバックグラウンドは、私自身の体験に深みを加え、このイベントへの理解も広げてくれました。
万博にて
万博では、スケールアウトのイニシアチブの一環として、神戸大学の「SDGs未来ビジネス学生プロジェクト」に携わりました。本イニシアチブでは、ペットボトル廃棄物を管理するための2つの新しいアイデアを紹介するパネル展示によるプレゼンをしました。このセッションは、学術研究、民間セクターのイノベーション、そしてSDGs が、実践的かつ影響力のある形で交差する明確な例として、私に強い印象を残しました。

スケールアウトチーム(左から右):Oggy – 代表取締役、Fetty – エネルギー/データエンジニア(タンザニア)、Dorothy – 農作物保護エキスパート(ナイジェリア)、Ahmed – 石油エンジニア(エジプト)、Chipo – 数学&エネルギー専門家、Emmanuel – 情報システム&ブロックチェーン専門家(ウガンダ)そして最後に私、Ruyonga。
ペッティーくん — ペットボトル回収ロボット
アフリカの都市部で拡大するプラスチック廃棄物問題に対処するというスケールアウトのお題に対し、日本の大学生とJICAインターンが、AIを搭載したロボットを使用する環境に優しい回収ソリューションを提案しました。平和的な課題解決と国際協力を強調したこのプロジェクトは、「SDGs Future Business Student Contest 2024」において準グランプリを受賞しました。
~ https://scaleout.tv/en/post/2025-06-12-expo2025
万博において、スケールアウトのブースはフューチャーライフヴィレッジ・パビリオンの神戸大学エリア内に設置され、そこで語られていたストーリーは、クリーンエネルギーによって稼働し、人々と協力してプラスチック廃棄物を回収する未来型の移動ロボット「ペッティーくん」についてのものでした。このアイデアは、人間とテクノロジーの両方の介入を組み合わせ、回収拠点からリサイクル工場までのペットボトル回収を解決しようとするものです。
ペッティーくんは太陽光パネルによって動力を得るドローンで、大きな容器を運び、回収拠点からペットボトルを積み込みます。その後、真空ポンプを使って圧縮し、スペースを確保した上で、別の地点へ飛行します。
まだまだアイデアおよびコンセプト段階ではありますが、チームは将来的にペットボトル廃棄物の回収が、人間が場所から場所へと移動する形ではなく、ロボットに引き継がれていくという強い信念を持っていました。このコンセプト展示は、日本の学生チームによって考案されたアイデアに基づいています。彼らの新鮮な視点と未来に対する楽観的な姿勢に触発され、学生主導のアイデアならではの創造性と開放性に魅力を感じ、このコンセプトを展示の一部として選定しました。
Well Waste Way
新たな方法で廃棄物を回収することも良いことですが、地球を守るためにさらに一歩進めることはより重要です。プレゼンの中で、スケールアウトはペットボトルの回収からリサイクル後の最終製品に至るまでの工程を紹介しました。ペッティーくんによって回収されるボトルは、洗浄・処理された後、小さな破片に裁断され、ペレット化され、その後糸状に加工されます。その後、繊維素材が作られ、バッグ、自動車用シート、カーペットなどの製品を生み出す材料となります。
これは単なるコンセプトではありません。今回コラボをさせていただいた小島産業株式会社様ではすでに実現している現実です。同社ではFelLeブランドのバッグや、自動車メーカーなどの事業用の物など、ペットボトルのリサイクルにより多数の材料や製品を供給しています。私たちは、提供いただいたサンプルのバッグを提げてブース来場者に紹介しました。多くの人々がその優れた品質に感銘を受け、作るプロセスについて多くの質問をいただきました。
展示されたプロジェクト以外にも、私たちはアフリカや各国の状況、個人のキャリアについての質問に答え、多くの素晴らしいつながりを築き、素晴らしい人々と出会いました。特別な来場者の中には、私がプレゼンテーションをしている最中にブースを訪れてくださった Oggy のお母さんや、その後に来場された小島産業の橋本社長をはじめ、多くの方々がいました。こうした人々にお会いし、プレゼンできたことを誇りに思います。
さらに、神戸大学と共に発表された他のプロジェクトには、シロアリによる木材分解を利用した水素生成や、廃棄物からの医療用品などの製品開発、アトピーのかゆみを抑制するシャツ、シリコンナノ粒子によるSDGs志向の塗料などが含まれていました。
同じウガンダ出身のEmmanuelは、大阪万博について次のように表現しました。
「最先端技術、文化、そしてサステナビリティが世界中から一つの場所に集まった、活気あふれる未来のショーケース。パビリオンを眺めながら会場を歩く中で、まるで世界を巡る旅をしているかのように、そして人類がこれからどのように暮らし、つながり、イノベーションを生み出していくのか、その未来の一端を垣間見たように感じました。」
ザンビア出身でスケールアウトのインターン仲間であるChipoは、次のように語りました。
「大阪・関西万博への訪問を通じて、デザインと共有されたビジョンが、いかにパワフルに世界を一つの空間にまとめるかを実感しました。フューチャーライフヴィレッジは、そうした内容を見事に体現し、協働や異文化の発想を通じて、未来のコミュニティのあり方や人々のつながり方を感じさせてくれる場でした。特に印象的だったのは、ギネス世界記録を更新した巨大な木造リング構造で、万博全体の高い志や、世界がつながる場としての姿勢を象徴していました。」
以上を踏まえ、ここからは大阪・関西万博2025全体を通して得た、私なりの5つの主な気づきをご紹介します。
大阪・関西万博2025から得た5つの主な学び
- プランニングと運営
万博は、安全性と運営効率を確保するために綿密に計画されていました。広い通路、座席や休憩スペース、夏の暑さを和らげる屋外ミストファン、特に入退場時の人の流れの管理も含めて細部に至るまで配慮が行き届いており、一生に一度の体験だと感じました。 - テクノロジーの活用
万博では、最新技術と既存技術が組み合わされ、円滑な運営と来場者のサポートが行われていました。予約・スケジューリングアプリ、QRコード、顔認証による入場管理、そして直接行けない場所へ連れて行ってくれるVRなどが活用されていました。 - パビリオンと建築
業務の都合で内部に入ることはできませんでしたが、各国のパビリオンの外観建築とデザインは、それぞれの国の文化と描く未来の独自性を見事に表現していました。 - ビジネスとアントレプレナシップ
万博には、食品、スナック、各国特有の土産物などを販売する多くの企業ブースがありました。このようなイベントは、会場内でのビジネス機会を生むだけでなく、ホテル、観光、ショッピングなど、地域全体の経済を支えています。 - 万博を囲む大屋根リング
建築家・藤本壮介氏によって設計された巨大な円形木造キャノピーは、釘を使わない日本の伝統的な木組み工法によって造られ、「多様性の中の統一」を象徴しています。世界最大の木造建築としてギネス世界記録に認定され、パビリオンを囲み、来場者にスカイウォークを提供しています。
主催者は素晴らしい万博を実現しただけでなく、記録も打ち立てました。これこそが、自らに高い目標を課すということです。

大阪・関西万博2025のグランドリング上に立つDorothy
Dorothyは大屋根リングについて次のように語りました。
「できないと言われていたことを、日本はやってのけました。世界最大の木造建築が完成し、私はその中を歩き、上に立ちました。足元には61,035.55平方メートルの木材、目の前には瀬戸内海にもつながる大阪湾。すべての伝統的な継ぎ手に歴史を感じました。ギネス世界記録の眺め、グランドリング、万博2025。」

写真撮影を楽しむFetty
「フューチャーライフヴィレッジ・パビリオンのもと、サステナビリティと国連SDGsを前進させるイノベーションを世界に示す大阪・関西万博2025に参加できたことを光栄に思います。」
~ Fetty

ネクストフューチャーパビリオン前で、背景にガンダム像と共に写るRuyonga ー 未来は、これまでとは大きく異なるものになるでしょう。私たちは機械と共存し、共により多くのことを成し遂げていくでしょう。
Oggy (ファウンダー) からのメッセージ
スケールアウト創業者のOggyは、次のように心からの感謝を述べています。
今回の「持続可能な未来へ」コンセプトを開発し、展示を実現できたことは、私たちが描いていくビジョンや方向性を形作る上で、非常に貴重な経験となりました。
展示期間中に多くの来場者をお迎えできたことを大変嬉しく思うと同時に、私たちのメッセージに関心を持ってくださったすべての方々に深く感謝しています。このプロジェクトを通じて得られた洞察とつながりは、より良い明日を創造するための将来の取り組みにおいて、強固な基盤となるでしょう。
神戸大学、日本の学生チーム、アフリカからのインターンメンバー、小島産業株式会社、そしてJICA/JICEなど、多くのパートナーの皆さまのご協力によって、この展示が形になりました。心より感謝申し上げます。
まとめ
すべての体験について書こうとすれば、このページの限界を超えてしまうでしょう。そこで、ここで私の思いを締めくくりたいと思います。大阪・関西万博2025は、人それぞれの興味やスタイルに合った多様な体験を提供していました。公式万博サイトによると、開催期間中の来場者数は2,500万人を超え、私も仲間のインターンたちと共に、その2,500万人以上の一人となれたことを、これからもずっと感謝し続けるでしょう。
発表前、私たちは何が起こるのか分からず、多くの不安を抱えていました。特に日本語で話せるかどうかが最大の懸念でした。しかし、準備(Oggyとチーム全体)、意見交換、そして継続的なフィードバックを通じて、私たちは日々成長し、自分たちが思っていた以上の力を発揮することができました。
万博が閉幕してから少なくとも1か月後、私は同僚たちと共にこの記事を書いています。これまでの歩み、得られた学び、築いた絆やつながりを振り返り、将来、会社や国でこのような大規模プロジェクトを支えたり、リードしたりする際に、経験や知識を共有できることに感謝しています。
この記事を読んでいるあなたへ。
もし、実行できないと感じるような機会が訪れたとしても、まずその機会を掴んでください。機会は一瞬で過ぎ去ります。その後で、学び、実行するための支援を見つければよいのです。後になって振り返ったとき、「なぜあれほど怖がっていたのだろう」と思うでしょう。そして、次の機会もまた掴んでください。
もし大阪・関西万博2025に参加された方がいれば、ぜひ皆さんの体験や学びも共有してください。
執筆:ダニエル・ボスコ・ルヨンガ
素晴らしい新年をお迎えください。

