未来のコミュニティはハーモニーとともに:万博でスケールアウトがプレゼン
2025-10-04
スケールアウトは8月2日、大阪・関西万博2025の会場内「フューチャーライフヴィレッジ」にて未来のコミュニティ像を来場者に向けてプレゼンしました。タイトルはその名も「Future Community(未来のコミュニティ)」。ストーリーテリング、音楽、インタラクティブな演出、未来志向コンセプトなどを融合させ、テクノロジー・創造性・共感によって、これからの人間的つながりがどう形づくられるのかを示しました。
プレゼンの背景にあるコンセプトはシンプルでありながら挑戦的なものでした。急速に進化するテクノロジーと多様化するグローバルな価値観によって形成される時代において、「コミュニティ」とは何を意味するのかを探ることを狙いとしました。純粋な技術的・学術的な発表にとどまらず、来場者が時間を超えた対話を体験できるように、物語仕立てで展開しました。現在(Oggy)、2050年(アグネス・アデビイが演じる「Ade」)、さらには2100年(ムバリ・ムツァリが演じる「Solar」)という各時代のキャラクターを登場させる独創的な構成により、観客はただ聴くだけではなく、自らも未来社会の一員として想像できる体験となったのです。
プレゼンの核心にあったのは「未来のコミュニティは物理的な境界ではなく、“共鳴”によって形づくられる」という考え方でした。共鳴とは、創造性の共有、相互の共感、そして協働的な行動です。これを示すために、3つの相互に関連するコンセプトが紹介されました。
- グローバル・ハーモニー・ネクサス:音楽を普遍的な言語として、空間を超えて可能なリアルタイム共創。
- スマート・ミュージック・ラウンジ:光・音・香りまでもが人間の感情に応答し、見知らぬ人同士や友人同士が自然につながれる空間。
- エコ・リズム・プログラム:環境への行動を音楽に変換し、サステナビリティを義務ではなく日常の楽しいリズムとして共有する未来像。
プレゼンの演出にはコンセプトと同様に、想像力を働かせました。2050年の共感的コミュニティ・ナビゲーター「Ade」や、2100年からの声「Solar」といったキャラクターとの対話形式を通じて、パフォーマンスとビジョンの境界を溶け合わせました。テクノロジー、ユーモア、音楽が織り交ぜられ、想像が革新への現実的な一歩だと感じられる没入空間を体験いただきました。未来について「講義」するのではなく、未来を聞き、感じ、問いかけることで「未来にしばし生きる」ことを呼びかけたのです。また、BGM音楽にはOggyによる「Theme of Challenges and Experiences(挑戦と体験のテーマ)」を採用しました。
インパクトはすぐに現れました。私アグネスにとっても「Ade」を演じること自体が、未来の世代のためにより良い世界を築くゴスペル音楽のようなものに参加している体験となりました。来場者にとっても単なる未来的なアイデアの数々を持ち帰った以上に、自ら行動できるという感覚を得ていただいたと思います。私たちのパフォーマンスでは「未来はあらかじめ決まっているものではなく、私たちが今下す選択によって形づくられる」ということを強調しました。たとえばリサイクルの方法、人とのつながり方、テクノロジーを使って信頼や連帯を築く方法など、日常の行動が未来を左右するのです。私たちはそのメッセージを「共有化された体験」に基づいて届けました。抽象的な未来予測を、身近で行動につながる物語に変えることに成功したのではと考えています。
結果として、万博でのこのセッションは単に未来を予測するためのものではなく、「今この瞬間からの協働」を促すものとなりました。想像力と責任、創造性と持続可能性を結びつけることによって、「未来のコミュニティ」は明らかにしました。──私たちが今ここから築き始めれば、コミュニティはハーモニーに満ち、誰も取り残さず、そして強靭なものになるということを。
文責:アグネス・アデビイ
Special Thanks to:ムバリ・ムツァリ、ムギシャ・レスピシャス、JICAの皆さま
和訳補助:Oggy (おぎー)