みんなでつくる歌の物語 ー Global Harmony Way(万博:「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジ)

calendar_today 2025-10-04

スケールアウトは8月14日、大阪・関西万博2025のステージに立ち、私たちにとって単なるプロジェクト以上に重要なものを発表しました。それは「人間性を分かち合う」というビジョンでした。夢洲の西ゲート近くにある「フューチャーライフヴィレッジ」にて、私たちのチームは「みんなでつくる歌の物語 ー Global Harmony Wayを紹介しました。この取り組みは、万博公式の「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジに登録されており、万博が掲げる理念そのもの──国や文化、人々を協働の力でつなぐこと──を体現するものでした。

プレゼンの中心にあったのは、荻野浩司 (Oggy: おぎー)が立ち上げた音楽プロジェクト「Get Well」。ある一つの歌としてだけではなく、「共感の器」であり、「グローバルなハーモニーの実験」としての作品でした。コンセプトはシンプルでありながら奥深いものです──国や文化を超えて、これまでに43人のメンバーが参加し、困難に直面している人々へ励ましのメッセージを紡ぐのです。この歌は、困難、不安、病に直面したときでも、私たちを迎え入れようと待ち、私たちを普段の生活へ、喜びへ、そして「つながり」へと戻してくれるようなコミュニティがあることを思い出させてくれます。

プロジェクトの起源は2020年の暗い日々に遡ります。見えない敵に世界が直面し、隔離を余儀なくされたときです。パンデミックは身体的危機であると同時に、精神的危機でもありました。孤独、恐怖、絶望がウイルスと同じほど容赦なく広がりました。その中で生まれた「Get Well」は、慰めのメロディーでした。それは人々に「あなたは一人ではない」「あなたの存在には変わらない価値がある」「癒しは必ず訪れる。そしてその時、温かさと共に迎えられる」ということを思い出させる呼びかけとなったのです。

「Get Well」の一節一節には、その想いが込められています。言葉とリズムは聴く人に休息を与え、呼吸を促し、再び力を見いだすよう誘います。「世界は十分にあなたを待てる」と優しく伝えるのです。それは子守唄であり、同時に力強い応援歌でもあります。「あなたは大切な存在です。時間をかけてください。私たちはここにいます」と。日本語の歌詞を織り交ぜることで、文化的な融合を象徴すると同時に、言語や地域を超えて共通する「思いやり」と「優しさ」の普遍性を示しています。

スケールアウトが万博に持ち込んだものは、ステージパフォーマンス以上のものでした。それは「共有された苦難から音楽が生まれ、共創により形づくられるとき、それは癒しの力となる」ことの証でした。海を越えて見知らぬ人をつなぎ、苦難を調和へと変え、世界が不確実さに直面する中でも、人類は共に美しいものを創り出せると示したのです。

ステージでは、Oggy (おぎー) とともにアフリカ5か国の代表が登壇しました:ムバリ・ムツァリ(南アフリカ)、ムギシャ・レスピシャス(タンザニア)、ガニー・アノビル(ガーナ)、ナホル・オマール・ンガワラ(チャド)、アグネス・アデビイ、アブドゥルマリック・アデイェモ(ナイジェリア)。彼らの参加は、このプロジェクトの目標とこれまでの成果を象徴するものでした。ステージ発表の終わりには、多くの人々が他文化への関心を寄せ、特にアフリカを訪れる時にはどうすれば容易に溶け込めるのか知りたい、などと話していました。

このように、「みんなでつくる歌の物語 ー Global Harmony Way」は単なるプロジェクトではありません。それは「約束」なのです。弱いときにも、私たちは見守られているという約束。倒れても、思いやりの声に支えられ、再び立ち上がれるという約束。そして何より、調和・共感・創造性を通じて、世界は本当に「Get Well (癒される)」ことができるという約束です。

 

文責:アグネス・アデビイ
特記:
スケールアウトは本共創チャレンジの共創メンバーです(リンク)。また、「Oggy Live Today」プラットフォームを使用しています(リンク)。
連携企画:「第3回 日本国際芸術祭(夢洲機構)」

和訳補助:Oggy (おぎー)
Special Thanks to:43人のメンバー、JICAの皆さま